

三元交配の母方の系統豚、
ランドレース種を改良
食肉の中で最も消費量が多い豚肉。山形県では、これまでも品種を吟味して高品質の豚肉を生産し、全国的に高い評価を獲得してきた。
その品種へのこだわりをさらに求めるため、山形県では母豚の改良に取り組み、系統造成という方法で多産系のランドレース種「ヤマガタL」(L)を開発した。肉豚の生産は、この「ヤマガタL」の雌と、発育の良い大ヨークシャー種(W)の雄を交配させて生まれたLW交雑種の雌を母豚として、これに肉質の良いデュロック種(D)の雄を交配するという三元交配を基本に行ってきた。こうして生まれた三元豚(LWD)は、品種特性が相乗的に現れ、成長が早く、肉質はコクとうまみを備えたものであった。
しかし、次第に、「足腰がより強く産子数が安定して多い豚」へのさらなる改良を望む声が寄せられるようになった。そこで、山形県の畜産試験場養豚支場では1998年度から、「ヤマガタL」に代わる新たなランドレース種の系統造成に取り組み、8年にわたり改良を続けた結果、ようやく2005年、新しい系統豚「ガッサンエル」が誕生するに至った。
「ガッサンエル」は、「ヤマガタL」に比べ、1回に生まれる子豚の数が11頭と約1頭多い。また足腰も強化され、育てやすく、養豚農家の評価も高い。
「ガッサンエル」由来のLW母豚から生まれた、待望の新しい三元豚の出荷も増えており、その肉質は以前にも増して、「脂の切れがよく、洗練された味わいになった」と評判だ。
安心・ヘルシー・おいしいと人気の県産豚肉
山形県では庄内、最上、村山、置賜の各地域に養豚拠点や産地があり、それぞれが創意工夫を行いながら、生産・販売の拡大や質のアップを目指している。例えば、(1)通常より肥育日数を延ばし、肉の熟度を上げ、キメと締まりの向上を実現、(2)安全性と低脂肪・低コレステロールを実現するために、専用飼料にポストハーベストフリー(収穫後に保存用薬剤処理をしていないもの)の大麦・トウモロコシなどを使用、(3)飼育環境や衛生管理にこだわり、健康体に育てることに配慮、(4)鮮度管理を徹底して加工までの一貫体制を採るなどなど…。こうして、「安心でヘルシーでおいしい豚肉」が山形県から全国へ届けられている。
ところで、豚肉は良質たんぱく質の宝庫でもあるが、ビタミンB1を豊富に含むことから疲労回復に良いとされる。またリノール酸などの不飽和脂肪酸も、動脈硬化を防ぐ効果があるという。
新鮮な豚肉を選ぶなら、全体にツヤと弾力があり、脂肪分が白く締まっているものがいい。色がくすんでいたり、ドリップ(肉汁)がトレーにたまっているものは避けたい。
新しい「ガッサンエル」の登場と、生産者の努力が生かされ、これからもどんどんおいしくなる山形産豚肉。全国に自慢したい郷土の食材だ。

低脂肪・低コレステロールを実現した豚肉。料理の幅も広がる。

豚肉のおいしさは、しゃぶしゃぶにすると一層よくわかる。豚肉特有のくさみが少なく、あっさりと食べられる。

